オーストラリアとカナダ {政治思想・民族}

カナダにおいて見られるような多文化主義政策が数多く実施されており、その一例としてSBSが挙げられるだろう。

1970年代、白人以外の移民を事実上禁止することを旨とした政策がゴフ・ホイットラム政権によって捨て去られ、これが契機となってオーストラリアに多文化主義が根付いた。

とはいえ、この政策転換はオーストラリアがイギリスから分離し、国家としての主体性を確立する過程の一側面に過ぎなかったという指摘もある。

オーストラリアにおける「多文化主義」の考え方は、白豪主義を捨て去った当初に比べると大きく変化している。

元々は、一部の移民が異なる文化圏の出身者だとしても、オーストラリア社会との関係を容認しようという程度のものだったが、現在では異なる「文化圏」の存在自体をオーストラリア社会の中に容認しようというものに変わっている。

現在、このオーストラリアにおける「多文化主義」の考え方は、国民の多くがそれぞれ多様な文化的・民族的背景を持ち、またこの現状を承認しているという事実を引き合いに出す際にしばしば用いられる。

オーストラリア移民多文化省は2005年、同国内における労働力の25%が国外出身者であり、40%が少なくとも片親が国外出身者であると推定している。
update:2010年06月04日